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第11回:名古屋大学教授 栗本英和

正解がない「成熟社会」に求められる人を育てたい(1)

 

栗本英和(名古屋大学教授/教養教育院ACEプロジェクト・リーダー)
伊藤健二(慶應義塾大学准教授)
武藤新二(汐留イノベーションスタジオ ディレクター)

2010年の11月から12月にかけて、SISは、名古屋大学情報文化学部にてClipCMを用いたワークショップを行いました。きっかけは、全学教育を担う教養教育院で、「自主学習環境基盤整備(通称、ACE)プロジェクト」を推進している栗本英和教授が偶然、ClipCMを見つけてくれたことでした。栗本教授とは旧知の仲だった慶應義塾大学の伊藤健二准教授の手引きもあり、スムーズに終わったワークショップを振り返りつつ、これからの人材育成について3人で語らい合いました。

 

 

『伝わるように伝える難しさ、大切さ。』

 

dialogue_with_sis_vol11_01.jpg栗本 先日は、名古屋までお越しいただき誠にありがとうございました。

武藤 こちらこそ、お招きいただいて光栄です。偶然ですが、SISのClipCMチームメンバーの中には、名古屋大学出身者が2名いるんです。彼らにとっても、母校で授業ができるのは貴重な体験になったと思います。

栗本 ClipCMを使った「伝えるから、伝わるへ」のワークショップは、目から鱗でした。教育は伝えることが重要。だから我々教員は、伝えるために一生懸命カリキュラムを考えますが、その目的や想いが伝わらなければ意味がない、ということを痛感しました。一方で学生は、自らの問題意識や学習課題を、時にはグループやチームで互いに共有しながら活動を進めなればなりません。そうした時に、単に「伝える」のではなく、「伝わるように伝える」ための思考のトレーニングをするシンプルな道具として、ClipCMは非常に優れていると感じました。

武藤 「伝わる」という視点は、「相手に何を考えさせるか、あるいは、何を行動させるか」という発想を持つことで、自ずと生まれてくる視点です。ただ、相手の思考を誘発するようなコミュニケーションのトレーニングを、普段、学生はなかなかしていないでしょうからね。

栗本 その通りです。加えて、先端的な技術ばかりではなく、人って、言葉や絵を見て感動するもの。そういう部分を、大切にしていきたいと改めて思いました。

dialogue_with_sis_vol11_02.jpg伊藤 伝わるように伝えることは、メディアだけじゃなくて、あらゆる組織活動において大切になってくる部分。これまでは縦社会型の情報伝達でも通用したり、むしろそれでよしとされてきた。けれど、これから社会がもっともっとフラットになっていった時には、それでは通用しなくなってきますよね。

武藤 コミュニケーションを生業にしている広告会社の人間として、「伝わるためにどうしよう」ということを、日々考えているわけです。それに対する思考とかノウハウは、どんどんたまっていくわけですが、それをアウトプットする場が、今までは広告しかなかった。でも仰るように、「伝わる方法論」というのが、21世紀の人間の営みにおけるいろいろな場で重要になってきている。僕らが考えてきた「伝わる」ということを、もっと社会に開いていって、色々なジャンルの中で使っていただきながら事業拡大していく。それが、僕たちSISの役割だと思っています。

 

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<プロフィール>
栗本英和/Hidekazu Kurimoto
1956年愛知県生まれ。名古屋大学大学院工学研究科博士課程前期課程修了。工学博士。専門分野はプロセスシステム工学、情報マネジメント、経営品質。現在、名古屋大学評価企画室教授、教養教育院、大学院環境学研究科及び情報文化学部を兼務。

伊藤健二/ITO KENJI
慶應義塾大学 大学院 政策メディア研究科 特別研究准教授
みずほ情報総研にて7省庁の委員等で政策提言を行いつつ、産学官連携のプロジェクトを長年に亘って企画・推進する。2005年4月より慶應義塾大学を兼任後も、産学官連携によりビジネスモデル研究・実践を行う。

武藤新二/MUTO SHINJI
株式会社電通 汐留イノベーションスタジオ チームリーダー/クリエーティブディレクター
1992年、広告会社電通に入社。クリエーティブディレクション、コミュニケーションプランニング・商品ブランド開発設計、ソーシャルデザイン、メディアコンテンツ企画制作など、仕事の領域は多岐に渡る。2010年7月、電通社内に「汐留イノベーションスタジオ」を立ち上げ、社内さまざまなセクションから集まったクリエーター、プランナーを率いる。

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