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第8回:NPO法人シブヤ大学学長 左京泰明

オンとオフだけじゃない時間の使い方を創造するために(1)

 

左京泰明(シブヤ大学学長)
武藤新二(汐留イノベーションスタジオ ディレクター)

 

7月にローンチした『ぷちドネ』でタッグを組ませていただいたシブヤ大学。学長を務める左京さんは、「SISのあり方にとても興味がある」と仰います。今後の更なるコラボレーションも見据えつつ、お互いの「いま」と「これから」を語り合いました。

 

 

『FCバルセロナのソシオのような組織が、目標です。』

 

dialogue_with_sis_vol8_01.jpg武藤 先日、創立4周年を迎えたんですよね。

 

左京 はい、2006年9月に開校したので、5年目に突入です。毎月いろいろな授業をやっていますが、おかげさまでほとんどの授業が抽選、つまり定員割れしていない状態です。毎月楽しみにしてくれている方の顔がどんどん見えてきて、それがすごく励みになっています。

 

武藤 続けて行くことで「信頼」が生まれた、といった実感があるのではないでしょうか。

 

左京 そうですね。「これまでそのトピックスにはそんなに興味がなかったけれど、授業で取り上げられるなら」ということで参加してくれた方たちが、徐々に常連さんになっていくというプロセスは、まさにその信頼の結果ではないかと思っています。

 

武藤 場を創造しても、それをより機能させていくためには、続けることで生まれる信頼がとても大事。そのことを、ぼくもSISを立ち上げてみてよくわかりました。シブヤ大学の場合、その信頼は、生徒さんだけではなく、活動をサポートしてくれる寄付者、特に企業にとっても重要な意味があると思います。ただ、経済状況は未だ先行きが不透明なので、思うようにいかない部分もあるのではないでしょうか。

 

左京 あるべき論で考えると、もっと多くの企業さんが応援していただける姿がいいのかもしれませんが、仰るようになかなか経済環境が厳しいですから、たとえば一社から多額の寄付をいただく、というのは現実的ではないと思っています。

 

武藤 それはぼくらが本業で感じている、というか直面しているスポンサードに対する問題意識とも、共通していますね。

 

dialogue_with_sis_vol8_02.jpg左京 ひとつこうなれたらいいなと思うのは、Jリーグの大分トリニータの事例です。このクラブチームは、約700の地元企業や市民などがスポンサーになっているそうです。それこそ、大きな企業から地元の商店や歯科医さんまでいて、Jリーグの中でも圧倒的にスポンサーの数が多い。その結果、サッカーを見たことがなかった年配の方も、自分の孫のように選手を応援するようになったと聞きました。大企業の単独スポンサーではないという意味では、世界一のクラブチームであるFCバルセロナもそうですよね。ソシオというファン組織の寄付によってクラブが運営されていて、おじいちゃんおばあちゃんから子どもまで、幅広い世代がつきあっていける地域コミュニティになっている。その姿こそ、実はシブヤ大学が目指す理想でもあるんです。

 

武藤 これはSISの活動にも当てはまることですが、これからのソーシャルなサービスって、たとえばモチベーションの高いスタッフにだけしわ寄せがいく、という現状ありがちなモデルではなく、受益者も、寄付者も、スタッフも、ウィンウィンの関係でいけるモデルを構築していくことが、とても重要です。その上で、色々と解決しなければならない課題はありますが、受益者が喜んでくれるコンテンツを提供する、という根本的なことをブレずに続けていくことが大切だと思います。

 

(1) (2) (3)

 

 

<プロフィール>
左京泰明(シブヤ大学学長)
1979年福岡県出身。早稲田大学卒業後、住友商事株式会社に入社。2005年に退社後、特定非営利活動法人グリーンバードを経て、2006年9月、特定非営利活動法人シブヤ大学を設立、現在に至る。著書に『シブヤ大学の教科書』(シブヤ大学=編 講談社)、『働かないひと。』(弘文堂)がある。

 

≫ シブヤ大学

 

武藤新二/MUTO SHINJI
株式会社電通 汐留イノベーションスタジオ チームリーダー/クリエーティブディレクター
1992年、広告会社電通に入社。クリエーティブディレクション、コミュニケーションプランニング・商品ブランド開発設計、ソーシャルデザイン、メディアコンテンツ企画制作など、仕事の領域は多岐に渡る。2010年7月、電通社内に「汐留イノベーションスタジオ」を立ち上げ、社内さまざまなセクションから集まったクリエーター、プランナーを率いる。

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